スキー修行編2014(須原スキー場 part2 )
- 2014/02/02 16:31
- Category: スキー日記13-14
ダイナミックに転倒した日からおよそ1週間経ったある平日。
1級持ちである知人のM氏とそのご家族を誘って須原スキー場に行った。
一人でどんだけ練習したところで、低レベルの現状は変わらないと前回の大転倒で痛感したのだ。
M氏はファミリーで来るので、彼から教わろうなどという野暮な考えは毛頭なく、私はスクールの門を叩くつもりだ。
今回お誘いしたのは、2~5人のグループ全員のリフト券が半額になる最強のクーポン券「パスカード」を使って少しでも
出費を抑えたかったからである。注意すべきは1人では使用できないというところ。
通常は平日2,000円のリフト券が、半額の1,000円に。
たった千円でも、今日はスクール代も掛かることを考えればやはり大きい。
ところが、リフト券を買い終えて半日スクールに申し込もうとしていたら、M氏が一度滑りを見てくれると言う。
あちらは始めからそのつもりで来てたみたいだ。少し気が引けたが、せっかくだからお言葉に甘えることにした。
早速、クワッドリフトに乗って頂上へ。

どこを滑るか話し合った結果、M氏のお子さんがまだ小さいこともあり、
取り敢えずアルパイン迂回コースを滑ることになった。
「一回普通に滑ってみて」と言われたので普通に滑ってみた。
アルパインコースに合流し、そのまま下に降りてM氏と一緒にリフトに乗ると、
私の滑りを後ろから見ていた彼はこう言った。
「板に乗れてないね。もっと踏まないと」
乗る?踏む?
リフトに揺られながら色々レクチャーを受ける。
「次はブルークで滑ってみて」
リフトを降りたところから同じコースを今度はブルークで真っ直ぐ滑ってみた。すると・・・
「スキーのトップの間隔がバラついてる。拳一個分をキープして」
「そのためには前傾姿勢で前をしっかり踏んで」
「猫背はダ~メ。ちょっと背筋を伸ばして」
「もっと膝を入れて」
「手は前に出して」
普段から脛をブーツに押し当てて前荷重してるつもりだったが、足首も曲げたまま固定してやってみた。
言われたことを強く意識して、ひたすらブルークで真っ直ぐ滑り続けた。
1本目で早くも腰や足の付根の外側が痛くなり、結構しんどかった。
次はボーゲン(ブルークスタンスで左右にターン)をやってみてと言われる。
すると・・・
「曲がる時は外足に乗ってしっかり板を踏んで」
「でも自分から左右に動かないで」
「しっかり外足の膝を入れて」
雑念を捨て、最初に言われたことも強く意識しながら滑った。
足首、膝、股関節、腹筋、背筋と体全体を石のように緊張させていた。
すると、ある左ターンの後半、重い自分の体が乗っかった右の板が、突然”ギュン!”と旋回した。
な、何だ今のは!
それは今までスキーをやってて初めての感覚だった。
M氏曰く、これが「板に乗る」なのだそうだ。
確かに、板に上手く乗れた時とそうでない時のターンの質は全然違う。
教わる前の私の滑りは「板に乗っていない」ので軽い滑りになっていた。
衝撃的な1本目を終えた。相変わらず足腰が痛いのだが、それで良いのだとM氏は言う。
痛くなるべき場所が痛くなったのだから、これが正しいポジションということか。
リフトに乗り、ブルークボーゲン2本目。
次は、内足を上げて滑ってみてとの指示。
一瞬でなく切り替えから切り替えまでの間。つまり、ほとんど外足一本で滑るということだ。
最初は難しかったが、何本か滑って出来るようになった。
外足への体重移動と、ターン中のバランストレーニングだったのかな。
ブルークの次はパラレル。
板を揃えるというだけで、外足の使い方は基本的にブルークの時の使い方と同じだと言う。
だから指摘内容もほぼ同じ。後傾にならない、板に乗る、膝を入れる等・・・。
姿勢が破綻した時は、一旦ブルークスタンスに戻して確認しながら練習した。
その間も色々と指摘を受けるが、この時点で自分の滑りが変化していると薄々感じていた。
滑走中、常に筋肉を緊張させているので相当に疲れる。
力の配分にムラがあったり、無駄な所に力が入っているのかもしれない。
しかし、明らかに滑リが安定している。
何というか、ターンが以前ほどブレないし、バランスを崩しても内足で簡単にリカバリー出来てしまう。
こうして数本滑った後、「最初の滑りより、全然良くなった」とM氏に言われた。
普段はお世辞など絶対言わない人だが、いわゆる”褒めて伸ばす”やり方なのかもしれない。
でも、それでも良いじゃないか。
この歳になると人から褒められることは滅多にないので素直に喜べばいい。
それから3週間もの間、ひたすら滑り込んだ。
リフトに乗っている最中は毎回念仏のように、
姿勢は低く、足首を固定しろ、猫背になるな、手を前だ、膝を入れろ・・・と頭に叩き込む。
最初は必ずブルークで滑り、背中や足の付根の筋肉の張り具合でポジションを思い出してから練習する。
私の娘は一人でバンバン滑れるようになっているので、一緒にスキー場に行っても目が届く範囲にさえいれば
常に一緒にいなくても良い。
これで自分もある程度は練習できるし、娘がナイター教室の場合は、基本的に私は自由だ。
平日休みは完全にフリータイムとなるので、一人で長い時間をフルに使えた。
日曜、祝日、平日休み、ナイター×2日と、多い時は週4~5回のペースでスキーをしまくった。
最初は毎日体のどこかが常に痛かったが、そのうち感じなくなった。恐ろしいものだ。
「板に乗れ」
超基本的なことなのだろうけど、自分の滑りが劇的に変化した。
何が一番変わったかと言えば、ほとんど転ばなくなったこと。
ちなみにM氏は中学か高校時代だと思うが古志高原のスキークラブに所属していたらしく、
名前は失念したが当時の学校長から毎回厳しい指導を受けたそうだ。
中でもブルークボーゲンは散々やらされて、そのおかげで基本が身についたと言う。
先輩、あんたスゲエよ・・・。あの日のことは生涯忘れません。感謝、感謝ですよ。
私もやっと基本を教わり、これで初めてスタートラインに立てたような気がする今日此の頃である。
1級持ちである知人のM氏とそのご家族を誘って須原スキー場に行った。
一人でどんだけ練習したところで、低レベルの現状は変わらないと前回の大転倒で痛感したのだ。
M氏はファミリーで来るので、彼から教わろうなどという野暮な考えは毛頭なく、私はスクールの門を叩くつもりだ。
今回お誘いしたのは、2~5人のグループ全員のリフト券が半額になる最強のクーポン券「パスカード」を使って少しでも
出費を抑えたかったからである。注意すべきは1人では使用できないというところ。
通常は平日2,000円のリフト券が、半額の1,000円に。
たった千円でも、今日はスクール代も掛かることを考えればやはり大きい。
ところが、リフト券を買い終えて半日スクールに申し込もうとしていたら、M氏が一度滑りを見てくれると言う。
あちらは始めからそのつもりで来てたみたいだ。少し気が引けたが、せっかくだからお言葉に甘えることにした。
早速、クワッドリフトに乗って頂上へ。

どこを滑るか話し合った結果、M氏のお子さんがまだ小さいこともあり、
取り敢えずアルパイン迂回コースを滑ることになった。
「一回普通に滑ってみて」と言われたので普通に滑ってみた。
アルパインコースに合流し、そのまま下に降りてM氏と一緒にリフトに乗ると、
私の滑りを後ろから見ていた彼はこう言った。
「板に乗れてないね。もっと踏まないと」
乗る?踏む?
リフトに揺られながら色々レクチャーを受ける。
「次はブルークで滑ってみて」
リフトを降りたところから同じコースを今度はブルークで真っ直ぐ滑ってみた。すると・・・
「スキーのトップの間隔がバラついてる。拳一個分をキープして」
「そのためには前傾姿勢で前をしっかり踏んで」
「猫背はダ~メ。ちょっと背筋を伸ばして」
「もっと膝を入れて」
「手は前に出して」
普段から脛をブーツに押し当てて前荷重してるつもりだったが、足首も曲げたまま固定してやってみた。
言われたことを強く意識して、ひたすらブルークで真っ直ぐ滑り続けた。
1本目で早くも腰や足の付根の外側が痛くなり、結構しんどかった。
次はボーゲン(ブルークスタンスで左右にターン)をやってみてと言われる。
すると・・・
「曲がる時は外足に乗ってしっかり板を踏んで」
「でも自分から左右に動かないで」
「しっかり外足の膝を入れて」
雑念を捨て、最初に言われたことも強く意識しながら滑った。
足首、膝、股関節、腹筋、背筋と体全体を石のように緊張させていた。
すると、ある左ターンの後半、重い自分の体が乗っかった右の板が、突然”ギュン!”と旋回した。
な、何だ今のは!
それは今までスキーをやってて初めての感覚だった。
M氏曰く、これが「板に乗る」なのだそうだ。
確かに、板に上手く乗れた時とそうでない時のターンの質は全然違う。
教わる前の私の滑りは「板に乗っていない」ので軽い滑りになっていた。
衝撃的な1本目を終えた。相変わらず足腰が痛いのだが、それで良いのだとM氏は言う。
痛くなるべき場所が痛くなったのだから、これが正しいポジションということか。
リフトに乗り、ブルークボーゲン2本目。
次は、内足を上げて滑ってみてとの指示。
一瞬でなく切り替えから切り替えまでの間。つまり、ほとんど外足一本で滑るということだ。
最初は難しかったが、何本か滑って出来るようになった。
外足への体重移動と、ターン中のバランストレーニングだったのかな。
ブルークの次はパラレル。
板を揃えるというだけで、外足の使い方は基本的にブルークの時の使い方と同じだと言う。
だから指摘内容もほぼ同じ。後傾にならない、板に乗る、膝を入れる等・・・。
姿勢が破綻した時は、一旦ブルークスタンスに戻して確認しながら練習した。
その間も色々と指摘を受けるが、この時点で自分の滑りが変化していると薄々感じていた。
滑走中、常に筋肉を緊張させているので相当に疲れる。
力の配分にムラがあったり、無駄な所に力が入っているのかもしれない。
しかし、明らかに滑リが安定している。
何というか、ターンが以前ほどブレないし、バランスを崩しても内足で簡単にリカバリー出来てしまう。
こうして数本滑った後、「最初の滑りより、全然良くなった」とM氏に言われた。
普段はお世辞など絶対言わない人だが、いわゆる”褒めて伸ばす”やり方なのかもしれない。
でも、それでも良いじゃないか。
この歳になると人から褒められることは滅多にないので素直に喜べばいい。
それから3週間もの間、ひたすら滑り込んだ。
リフトに乗っている最中は毎回念仏のように、
姿勢は低く、足首を固定しろ、猫背になるな、手を前だ、膝を入れろ・・・と頭に叩き込む。
最初は必ずブルークで滑り、背中や足の付根の筋肉の張り具合でポジションを思い出してから練習する。
私の娘は一人でバンバン滑れるようになっているので、一緒にスキー場に行っても目が届く範囲にさえいれば
常に一緒にいなくても良い。
これで自分もある程度は練習できるし、娘がナイター教室の場合は、基本的に私は自由だ。
平日休みは完全にフリータイムとなるので、一人で長い時間をフルに使えた。
日曜、祝日、平日休み、ナイター×2日と、多い時は週4~5回のペースでスキーをしまくった。
最初は毎日体のどこかが常に痛かったが、そのうち感じなくなった。恐ろしいものだ。
「板に乗れ」
超基本的なことなのだろうけど、自分の滑りが劇的に変化した。
何が一番変わったかと言えば、ほとんど転ばなくなったこと。
ちなみにM氏は中学か高校時代だと思うが古志高原のスキークラブに所属していたらしく、
名前は失念したが当時の学校長から毎回厳しい指導を受けたそうだ。
中でもブルークボーゲンは散々やらされて、そのおかげで基本が身についたと言う。
先輩、あんたスゲエよ・・・。あの日のことは生涯忘れません。感謝、感謝ですよ。
私もやっと基本を教わり、これで初めてスタートラインに立てたような気がする今日此の頃である。